タラワ慰霊巡拝の旅

祖父の戦没地であるギルバート諸島タラワでの慰霊巡拝の記録です。

参考文献

タラワの戦いや当時の様子について調べるにあたり読んだ本のリストです。読み終わったものについては都度 更新して追加していきます。
特に記載がないものについては私自身が所有している書籍になります。

『改造 新年號2604』 1944年 改造社
1919年に刊行された雑誌で1942年に掲載された論文が共産主義的と弾圧を受け、1944年に一時廃刊、 戦後復刊するも1955年には再度廃刊となっています(横浜事件)。
この、1944年1月に発行された新年號には海軍報道班員であった日野藤吉氏がタラワに赴いた際の様子を書いた「タラワ島守備隊」が掲載されています。
この新年號の印刷納本日として記されているのが1943年12月21日。大本営によりタラワ・マキン玉砕が発表された のがその前日20日。「涙とともに回想…」と結びにもあり、タラワの玉砕について周知のものとして記載されている ようです。文面の中にある日付や人物はすべて伏字、仮名となっていました。


『タラワ−恐るべき戦闘の記録』 ロバート・シャーロッド著 中野五郎訳 1950年 光文社
米国の従軍記者によって書かれた記録です。当然米国軍側から見た戦闘について記載されていますが、 実際にその場にいて、見て書かれたものであるため、生々しいやり取りや様子が窺えます。

『記録写真 太平洋戦争 上下』 ロバート・シャーロッド 中野五郎編 1956年 光文社
1952年に発行された同著大型特製本の内容を同じくした廉価盤として発行されたものです。 タラワに関する記述及び写真は上巻に記されていますが太平洋戦争の開戦から終戦までを米国の資料をもとに日本向けに 記された貴重な文献です。

『ニミッツの太平洋海戦史』 C・W・ニミッツ  E・B・ポッター著 実松譲  冨永謙吾訳 1962年 恒文社
太平洋艦隊司令長官であり、対日作戦実施の責任者でもあったニミッツによる太平洋戦史。 米国がどう戦い、その作戦計画の中日本がどのように敗戦していったかについての記録でもあります。タラワに攻略についての 記載も含まれています。

『玉砕戦史』 安井久善編 1970年 軍事研究社
河合康夫執筆の「ギルバート・マーシャル諸島の喪失」の中でタラワ攻略について述べられています。

『マキン・タラワ太平洋戦線』 ジューン・アンドリュース著 近代戦史研究会編 1970年 浪速書房
米国人の父を持つタラワで生まれた著者が旧日本軍の進攻により米国に移住し、その後海兵隊の一員として タラワの戦いに参加した記録です。タラワに上陸、占領するまでの記録ではあるのですが、内容が主観的なため資料として読むと 物足りなさを感じる内容でした。

『戦史叢書 中部太平洋方面海軍作戦<1>昭和17年5月まで』 防衛庁防衛研修所戦史室 1970年 朝雲新聞社
『戦史叢書 中部太平洋方面海軍作戦<2>昭和17年6月以降』 防衛庁防衛研修所戦史室 1973年 朝雲新聞社
戦史がまとめられたものです。ギルバート諸島方面における戦時下の作戦や守備状態等の公式資料です。
既に絶版となっていますが、日本側資料としては秀逸です。但し、詳細についての記載はタラワの戦いの前までで、戦いについての 詳細の記載はありません。


『共生への原理』 小田実著 1978年 筑摩書房
タラワの戦いについて、そして著者がタラワを訪れて見たこと、聞いたことについて記載されています。

『慟哭の島・タラワ陸戦隊四千五百玉砕の真相』 高橋是人 1979年 海友会全国連合会
半分はタラワの戦いについて、それまで出版された書籍や関係者の方の話をまとめたもの、もう半分は 戦後初めて慰霊に行かれた方の実現までの話や遺族の方の手紙が掲載されています。

『1億人の昭和史 日本の戦史 ⑨太平洋戦争3 』 1980年 毎日新聞社
米国の従軍記者によって撮影された当時の写真と簡単な説明の記載があります。
タラワに関する記載は多くありませんが、ミッドウェー作戦、ガダルカナル島、レンドバ島、ニューギニア、北方、ラバウル等 多くの方が亡くなった戦いについても記載があります。


『自決と玉砕 戦時下の日本人』 安田武・福島鑄郎編 1984年 双柿舎
玉砕戦で生還された方々の手記や終戦後自決された方に関する回想等がまとめられています。 タラワの関係者による記載はありませんが、玉砕とはどういうものなのかどうしても理解が出来ない為、それを知りたく 読んだ本です。生還された方の手記には玉砕に至るまでの心理や背景が書かれています。

『タラワ 新聞記者が語りつぐ戦争2』 読売新聞社大阪社会部編 1991年 新風書房
数少ない生存者の方や遺族の方の手記、戦地からの手紙を中心に書かれている本です。単なる戦記では ない、それぞれのお気持ちが伝わってきます。

『完本・太平洋戦争(上)』 文藝春秋編 1991年 文藝春秋 (下)も所有していますが、タラワ関連としては(上)に数少ないタラワの戦いの生存者でいらっしゃる 大貫唯男氏による手記、「タラワ玉砕生還記」が掲載されています。

『別冊歴史読本 未公開写真 孤高の戦闘玉砕戦 戦記シリーズ21』 1993年 新人物往来社
米国の写真班によって撮影された写真と説明文。未公開写真と表題にあるように、初めて見る写真の掲載もありました。
亡くなった方の写真も多く掲載されており、改めて戦争の悲惨さにやり場のない憤りを感じる本です。 タラワ以外でも玉砕の地となった島について記載されています。


『マウリ・キリバス 今日は、キリバス共和国』 郡義典著 1996年 近代文芸社
元漁師でキリバスの海員訓練学校の教師を勤めた郡氏によって書かれたキリバス共和国に関する本です。
現地の生活や人々について非常に詳しく書かれています。この中でタラワの戦いについても触れられています。キリバスという国を 知るためにも秀逸な本です。


『キリバス共和国からのメッセージ 国が海に消えていく』 助安由吉著 1998年 エイト社
地球温暖化による海面上昇により国が海に沈むかもしれないという危機に面しているキリバスからのメッセージと 写真が掲載されています。

『別冊歴史読本 太平洋戦跡慰霊総覧』 1998年 新人物往来社
これは慰霊巡拝に参加後入手しました。タラワ・マキンを含む各所の慰霊巡拝について記載されています。 表表紙が第3特根の司令部跡、裏表紙がベティオの砲台の写真だったので思わず手にしました。

『タラワ 米海兵隊と恐怖の島』 ヘンリー・I・ショー著 宇都宮直賢訳 1998年 光人社
米国側から見た、タラワの戦いについてです。米国の戦略や戦闘の混乱の様子が詳しく記録されています。 元々1971年に発行された本が文庫となって再出版されたものです。

『タラワ、マキンの戦い 海軍陸戦隊ギルバート戦記』 谷浦英男著 2000年 草思社
タラワの戦いを知るにあたり、1番最初に読んだ本です。
著者の谷浦氏は、タラワ玉砕の2ヵ月半前まで先任中隊長としてベチオ島に赴任されていました。当時の島の様子を知るための貴重な 資料です。


『図説 玉砕の戦場』 森山康平著 太平洋戦争研究会編 2004年 河出書房新社
タラワを含む玉砕戦となった戦地について記載されています。少ない生存者の方の書かれた文面を引用 している箇所の他、当時の日本の思想について触れられている箇所もあり、戦時下どういう状況で何を考えて日本兵が戦っていたのか 考えさせられる内容でした。また、当時の新聞記事の掲載もあります(但し掲載されている写真が小さいので、記事詳細は読めません。見出しははっきりわかります)。

『戰線文庫解説』 橋本健午解説 2005年 日本出版社
『復刻版戰線文庫 第三号』戰線文庫復刻版編纂室 2005年 日本出版社
『復刻版戰線文庫 第五十三号』戰線文庫復刻版編纂室 2005年 日本出版社
3冊セットです。戰線文庫は旧日本海軍省が監修した月刊誌で、1938年(昭和13年)から1945年(昭和20年) まで海軍将兵に無償で配布されていたそうです。写真やイラストも多く、当時の生活も垣間見えます。祖父もこれを読んでいたのでしょうか…。

『太平洋新聞』 歴史記者昭和クラブ著 2005年 廣済社
大本営発表の戦局と事実の相違についてが新聞形式で書かれている本です。当時の切り抜きと比較しながら…と 表紙に書かれていますが、切り抜きはそんなに多く掲載されていないので、比較とまではいかないです。ただ、戦時下でこの本にあるような記事が書かれ、 正しい報道がなされていたら、と思わずにはいられません。

『歴史群像 No.82 激突!タラワ攻防戦』 瀬戸利春著 2007年 学習研究社
当時の戦略、日本軍によるギルバート諸島攻略、そして玉砕までの様子が15ページほどにまとめられています。 概略として非常に分かりやすい記事です。

『女ひとり玉砕の島を行く』 笹幸恵著 2007年 文藝春秋
戦争に関心を持ったフリージャーナリストの方が玉砕の島を周った記録です。タラワにも訪問されています。 個人旅行として行かれているので、今回の慰霊巡拝よりも行動も勿論自由で、当時の地図を頼りに関係する地を巡っていらっしゃいます。 それぞれの国の現況や行程、戦闘についても記載されています。

『U.S.MARINES IN  WORLD WORLD WARⅡ Tarawa and the Marshalls』 Eric Hammel著 2008年 ZENITH PRESS
米国軍の写真班が撮影した写真が掲載されている写真集です。洋書なので、説明が全て英語で記載されてるため、 語学に堪能でない私には調べ調べでないとよくわかりません…。写真の枚数は豊富で、色々な本に発表されているもの以外も多く掲載 されています。白黒写真ですが、これがカラーでなくて良かったと思うほど、辛い写真も多く掲載されています。

『キリバスという国 Kiribati My Heart』 助安由吉  ケンタロ・オノ著 2009年 エイト社
キリバスの写真が多く収められています。旧日本軍の砲台によじ登っている子供たちの写真が心に響きました。

『タラワ1943 形勢の転換点』 デリック・ライト著 平田三夫訳 2009年 大日本絵画
値段の割に非常に薄い本なんですが、タラワの戦いについて、時系列でイラストを使った説明が記載 されているので、米国軍上陸から玉砕までの過程がわかりやすいです。英国の出版社が発行したものの邦語訳なのですが、内容は 米国側から見た戦闘になっています。そのため米国軍の善戦という記載になっている点は日本側遺族から見ると割り切れない気持ち になってしまいます。

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